追憶の導ーあとがき

早速、今回の展示について振り返ってみます。
長くなりそうなので、下記の「続きを読む」からどうぞ。

個展のタイトルである❝追憶の導❞について
過去の自分を振り返ったときに、今の自分につながる点が沢山あり
これまでのきっかけや出来事すべてが今の自分へ導いてきてくれた
長野県で初の個展だったので私なりの写真人生をみなさんにお伝えしたく
このタイトルをもとに構成しました。

構成内容
episode1「写真を楽しむ」

カメラを買った当時、SNSのヘッダーをおしゃれにしたいとか
スマホでは撮れない瞬間的な写真やボケの綺麗な写真を撮ってみたいという
興味・好奇心でシャッターを切った。
最初はカメラの機能の素晴らしさに驚いた。
・セルフタイマー機能がある
・複数枚を合成できる
・リモート操作ができる
・後からパソコンで編集ができる
可能性があふれていて早くもデジタル写真にのめり込んでいった。
カメラを持ってからしばらく“普段の視点からでは捉えられない瞬間”を探すようになった。
─ 雨の日のバスの車窓、椅子の影、水の波紋、都会の喧騒 ─
人が見ようとしない景色・見られないものを撮りたいと感じるようになり
ありのままとは正反対のアート・イメージ的な写真を撮るようになった。

episode2「星との出会い」

大学のゼミ専攻で私は天文学を選んだ。
その年の夏はハワイでの合宿を予定しているという説明文に胸をときめかせた。
もちろん 天文学を学んでみたくて選んだ道。
小さい頃 宇宙や星の本はいくら読んでいても飽きなかった。
先生の話す宇宙の話も大好きで私の撮った空の写真を見せると喜んでくれた。
その夏 人生で初めてハワイへ
見たことのない鮮やかな景色、見渡す限りのものすべてが新鮮で
きっとフイルムカメラだったらフイルムを交換している時間でさえも
もったいないと思うほどシャッターを切りまくっていた。
ハワイでの夜、その日 私が今まで見ていた世界を大きく変えてくれた。
国立天文台ハワイ観測所(すばる望遠鏡)のあるマウナケアでの日没。
空の色が青く 濃く 黒へと染まっていく。
それと同時に星々が待ち構えていたかのようににじみ出てくる。
気づけば360度見たことのない数の星に囲まれていた。
人生で初めて天の川銀河をはっきりと見た、宇宙空間にいるようなそんな気分だった。
こんな風景が現実にあるのかと あのときの感動は忘れられない。
しかしカメラを持ってまだ8ヶ月だった私は
長秒露光の撮影・全マニュアル設定・三脚の扱い方など
光の少ない場所での撮影経験の少なさもあり撮影に苦労し
あっという間に星が動いたり 流れ星が画角外に流れたりと
自然写真を撮ることの難しさを知り
この奇跡的な場所で納得のいく写真が撮れなかったことに悔しい思いをした。

episode3「自然を求める」

ハワイから日本へ帰ってきたときに思ったことがある。
あの壮大な自然風景に感動したけれど人の手が加えられていない環境
― ありのままの自然 ―こそが地球本来の美しさなのではないか
その頃21年間 東京生まれ東京育ちだった私は 日本の自然風景の写真を
撮りたい一心で頻繁に東京を出て各地をまわり撮影をするようになる。
車の免許を持っていなかった私は電車で行ける場所の中で
特に長野県南佐久郡にある「野辺山」がお気に入りだった。
星がきれい、空気がきれい、空が広い、野菜が美味しい、時間がゆるやか
都会に生まれ育った私には あたりまえだと言われる自然はあたりまえではなくて
自然のすべてに魅かれていった。
時に激しく危険な自然に対しても身を守る知識を得ようと努めた。
ハワイでできなかった星の撮影もその後 撮影術として本を製本した。
自分の好きだと思うことに突っ走ってきて苦に思ったことは一つもなかった。

episode4「自然×人」

大学生活最後の1年 JRの青春18切符での電車旅を計画した。
東京から福岡までを普通電車で移動しゲストハウスなどの旅人が集まる宿に泊まり
その土地の情報交換をしながら写真を撮る1か月間。
人との出会いが私を大きく成長させてくれた。
様々な職業・夢を持つ人と話す機会が沢山あり たとえ自分とは価値観が
合わない人の話でも その人から吸収できることが少なからずあった。
人の思いは人を強くし まわりを動かす力になる
私はこの旅で夢を持った。
自然風景をもっといろんな人に見てもらいたい。
私と同じように都会で生まれ育った人 地元が自然いっぱいの人
私の写真を見てくれた人・共感してくれた人が自然がもたらす豊かさに気づき
その土地がありのままでいられるよう協力し合える、
そんなコミュニティが世の中にたくさん増えていけば嬉しい。
私はただただこの素直な気持ちを 写真を通じて今後も発表していく。

□ メディア掲載
*信濃毎日新聞 様
*松本平タウン情報 様
*市民タイムス 様
*長野県観光機構 さわやか信州net 様
取材していただき、新聞・メディアに載せていただきました。
松本平タウン情報様、市民タイムス様は展示ギャラリーと私の写真付きで
内容についても詳しく載せていただきました。
ご協力くださいました各社、誠にありがとうございました。

□ 感想
上に書いた構成内容は展示した文を要約したものです。
短いなりに凝縮した私の写真人生全体を4つの構成別にして
今の写真家を目指すきっかけやその時に出会った被写体・出来事について触れました。
個展はその空間づくりやレイアウトなども自分で考えられるので楽しかったです。

失敗点が多々ありました。
・初のパネル展示で準備段階から失敗しまくり
・パネルがこんなに反ると思わなかった
・ギャラリーの壁の材質とパネル(粘着素材)の相性を甘く見ていた
→途中でパネルが沢山落っこちて角がつぶれてしまったり、作品に影響してしまった。
もうこれはいろんな場所で展示経験を積まないとわからないですね。
失敗して学ぶのが一番の学習なので、良い経験をしました。

意外だったのが、私が卒業制作で作った本「星の写真撮影ー私なりの基礎・応用ー」
が結構人気で、これは売ってないの?と聞いてくださった方が何人もいらっしゃいました。
大変うれしいことです。
これは初めて書いた本なので今見ると直したい個所が少しありますし、
一部写真提供してもらっているので、改訂版を作って今度は全部自分の写真で
完成できるようにしたいなと思ってます(*^^*)
紙にもこだわりすぎてしまって、作るだけで1部2500円くらいしてしまったし、
低コスト・高クオリティで第2弾を!いつ頃になるかわかりませんが、お楽しみに。

一番良かったことはいろんな方と知り合い、つながれたことです。
これこそが目的でしたし、予想以上に写真業の方と出会えてびっくりでした。
「写真で仕事をする」と一言で言っても様々な形があるし、
「仕事の写真」と「自分の好きな写真」は必ずしも一致しないので、
❝好きを仕事にする❞というのは本当に難しいことだと、みな口を揃えて言いますね。
知り合っていただいた方、今後ともよろしくお願いします。

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